東京高等裁判所 昭和47年(ツ)92号 判決
また、原判決が高瀬ひでらによる係争土地の使用関係として認定したところは、甲地と乙地とは、もと一筆の土地で同一所有者に属し、その当時から同地上に一戸の住家が存し、高瀬らが右住家をその所有者から借り受けて居住していたが、その敷地が前記一筆の土地の分割によって乙地となった後も、同女らは、係争土地の一部を北側道路への通行と、甲地上の古井戸を使用するためにのみ利用していたというのである。かような事実関係のもとでは、右のような係争土地の使用関係を目して土地そのものの占有がなされていたと認めること自体も相当でない。してみれば、原判決が上告人主張の所有権の取得時効の抗弁を排斥したことは相当である。論旨は、採用することができない。
(中西 小木曾 深田)